革修理｜岐阜県の革修理なら革研究所 大垣店

こんばんは。今回は靴の修理になります。靴の中でも比較的ご相談、ご依頼の多いのがローファーです。

 

①ご依頼の経緯と状態

②before after 写真

③施工後あとがき

④物を綺麗にすることの私の考え

⑤全国より宅配便ご依頼いただけます

 

①銀座かねまつのローファーのご依頼になりますが、状況としましては右側のつま先にかけてのシミ、カカトあたりのスレや傷、また右側はソールの接着が剥がれていました。話をお聞きしますと、二十年くらい前にご購入されたということで経年によって接着剤が劣化して弱くなって剥がれたのではないかと思われました。女性の方ならよくお分かりかとおもいますが、ローファーはその特性からソールがとても薄いのでどうしても接着での圧着仕様がほとんどです。スニーカー等でもラバーの剥がれがありますが、ゴムソール部分に厚みがありますので、圧着する圧力がかけやすいですローファーやパンプスはどうかというと、ご存知の通り極めてソールが薄いので圧がスニーカー等に比べると若干弱くなります。靴は歩くたびに指と甲の部分が折れ曲がりますのでソールの置かれた環境はかなり過酷であると言えます。ただでさえ剥がれやすい過酷な環境に加えて年数も経過していましたので、剥がれは至極当然のことでしょう。

 

シミに関しましては、シミがついた革についてこちらのブログでも毎回お伝えしてますように、一度革に染み込んでさいまったシミは布生地のような薬剤を使ってシミ抜きができません。革というのは、ご存知の通り元々は動物の皮膚で皮です。皮から加工して革へと製品化するのですが、タンニン等で鞣し加工や製品化するにあたって染料や顔料で色をつける着色もする以外と工程も複数回に及びますので、革内部に浸透してしまったものを安易に洗剤やアルコール、除光液等で落とそうとすると、かえって悪化してもっと大きなシミになったり、ひどい状態になると革そのものが損傷してしまって、シミだけだったものが表面を傷つけてしまったりすることもあります。

 

今回は数年履かれずにシミになったままご相談いただきましたので、通常普通に履かれたときにつくスレ傷以外は全く綺麗な状態でした。今回はベージュ系統のカラーで、細かなステッチが特徴のローファーでしたので、せっかくですので特徴であるステッチを残す「ステッチ残し」をオプションでご指定いただきました。

 

 

②ではbefore afterの写真でご覧ください。

 

[before]

   

[after]

 

右側（向かって左側）のつま先にはっきりとシミが確認できます。少し分かりづらいですが、同じく右側のソールの剥がれもあります。

 

[before]

 

[after]

 

こちらでは少し分かりやすいでしょうか。写真の影のせいでソールの剥がれが分かりにくくなっていますが剥がれていたソールも綺麗に接着しました。もちろんシミも跡形もありません。ステッチもちゃんと残しています。

 

[before]

 

[after]

 

かかと部分は分かりにくいですが、かかとの見えにくい下側に極小さなスレがありました。

 

[before]

 

[after]

 

 

角度を変えて反対側からです。こちら側のほうがシミやソールの剥がれが分かりやすいですね。シミがあった形跡は全くありません。

 

 

③写真でbefore after で若干色が濃くなっているように見えますが、経年で多少なりとも色褪せ、退色もあったのではないかということを考えると、元々このくらいの色だったのかもしれません。色もですが、革自体の艶加減も復活しているのがお分かりでしょうか？施工前では革に艶がなく、くすんだような風合になっていましたが施工後は艶が戻って綺麗になっています。

 

ここでローファーとパンプスについてちょっと基礎知識。よくパンプスとローファーを同じと考えている方がみえますが、これは間違いです。パンプスの定義は、「足の甲が広く開いている」に対して、ローファーは「靴紐が無く甲を覆った足を滑らせて履くもの」ということで、全く違うものであることが分かります。パンプスはヒールの高さによって呼び名が変わったりしますが、通常７センチ以上をハイヒール、４センチから６センチ程度をミドルヒール、３センチ以下のものをローヒールとなります。

 

男の私からするとパンプス、特にハイヒールのような靴を履くだけでもすごいのに、ハイヒールを履いて普通に歩けるだけでも女性に対してリスペクトしかありません！私がもし履いたら瞬間で足首グキッで即病院行きか湿布のお世話になります。慣れとはいえ本当にすご過ぎます。話が脱線しましたが、ハイヒールはパンプスのなかのヒールの分類でありハイヒールとパンプスが同じという認識は間違いです。今回のご依頼品はローファーにあたりますが、このタイプはフォーマルから普段履き、オフィスで仕事の時等使い勝手がいいので愛用されている方も非常に多いですね。今回のご依頼主様、「思っていたより綺麗になった。諦めなくて良かった」と有り難いお言葉をいただきました！この仕事で一番嬉しい瞬間です！元々綺麗にすることが好きな性格に加えて、それが仕事になり有り難いお言葉までいただける。こんな幸せなことはありません！

 

 

④個人的な考えですが、私の仕事だけでなく、清掃の仕事にも言えますが場所や物を綺麗にする仕事っていいなぁと思っています。駅で掃除をされている方、高速道路のサービスエリアのトイレの掃除をされている方、会社オフィスの清掃を専業としてされている方、車を磨いてカーコーティングをされている方等々・・・どんな仕事でも綺麗にする仕事をはとても素晴らしいものだと思っています！綺麗になって不機嫌になる人はいませんからね。よく外国から日本に来た方が日本の道路にゴミが落ちていないことに驚かれます。しかも街にゴミ箱が無いにも関わらず！です。誰に言われるでもなく、ちゃんとゴミで街を汚してはいけないことを意識して生活している国民特性なのでしょう。小学校から教室を自分たちで掃除する習慣が知らず知らずのうちに自分たちで綺麗にすることが当たりまえになっているのではないでしょうか。綺麗にすることは日本人が本来もっている美徳感覚なのかもしれませんね。物を大切にして喜ぶ方がおみえになる限り日々技術を磨いてお待ちしております！

 

⑤当店は実店舗で営業しておりますので直接のご来店も大歓迎ですが、半数以上は全国より宅配便にてお相談、ご依頼をいただいております。事前にライン公式アカウントよりご相談内容、修理ご希望の対象品の全体と希望箇所がわかる写真を数点お送りいただくことで概算見積もりをさせていただきます。最終的には商品到着後の現物確認は必要ですが、事前にお見積りさせていただくことで、おおよそのご予算が分かり安心です。到着後に正式に見積もり金額をお伝えしますが、大きな差異がなければ事前見積もりが変わることはありませんのでご安心ください。到着時に現物でしか分からない細かなことに気付くこともありますので、新たなご提案やご予算のご相談も可能ですのでご理解ください。決してご依頼主様の許可なく施工して代金の請求をするようなことはございませんので、そちらもご安心ください。

 

 

思い入れのある革製品は簡単には捨てられない！そんな方はぜひお気軽にご相談ください。ルイヴィトン、シャネル、グッチ、エルメス、プラダ、などのブランドバッグ、クロムハーツ、ロエベ、ミュウミュウ、ブルガリ、カルティエ、ヴィトン、エルメスなどのブランド財布、ソファー、革ジャン、各種革製品など施工例多数ございます！

当店は岐阜県にて実店舗営業しておりますが、全国より宅配便にてご依頼実績多数あります！特に猫爪ひっかき傷補修件数は北から南まで全国よりご依頼いただき群を抜いています！

直接ご来店できない方でもトップページにあります「ライン公式アカウント」で数枚お写真を送りいただくと概算のお見積りをさせていただきますので簡単です。もちろんお見積りは無料です！