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革修理ブログ
2024/06/18
【PRADA】 トートバッグの修理
こんばんは。今回のご紹介は プラダ トートバッグ の内張り張り替えと持ち手のコバ修理です。
【もくじ】
④加水分解について
今回は プラダ トートバッグ の内張り張り替えと持ち手のコバの再生修理です。当初は持ち手のコバがベトベトするということでご相談いただきました。こちらは加水分解で経年劣化のひとつです。いままでついていたコバを全て一度剥がしてから新しいコバ材を塗布するご提案とさせていただきました。
もう一点気になることが・・・。バッグの内装が剥がれてきていて、所々浮いてきていて気になるとのことでした。こちらも加水分解でハイブランドでも内側は合成皮革というのは珍しいことではありません。張り替えのご提案ですが、いつものように合成皮革で張り替えては何度も同じ現象になるので、今回もシャンタン生地での張り替えとなりました。
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コバの再生修理です
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内側が施工前は剥がれがありました。シャンタン生地に張替えさせていただきました。
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今回の張り替えはバッグの内側が真ん中で分かれるセパレートになっていましたので大変難しい施工となりましたが、このようにシャンタン生地にすることによってかなり長い間お使いいただけます。バッグや財布の内側がベタベタしてきたりポロポロと落ちてきたりするのは、毎回触れますが 「加水分解」 によるものです。加水分解につきましては後述しますが、合成皮革はこの加水分解とは切っても切り離せない関係です。持ち手に関しましても同様です。
お返しの際、今回は赤系ということでボルドー色のシャンタン生地を選んでみましたので 「思っていた以上に綺麗に見える」 と大変お喜びいただきました。内張りの加水分解にお悩みでしたらお気軽にご相談ください。
加水分解については、張り替えの施工の時に毎回触れますので毎度おなじみのお話になってしまうかもしれませんが、海外(日本製でもですが)から日本に輸入されて入ってきたブランドバッグ、ブランド財布等は上記でも触れたように誰もが聞いたことがあるようなハイブランドでも内側は合成皮革であることが多いです。加水分解とは、字でなんとなくイメージはつくかとおもいますが、合成皮革等で使われているPVCやポリウレタンが水と反応して素材を分解してしまう経年劣化の現象をいいます。ここでクローゼットにしまってあっただけで水になんかつけたことはないと思われた方もおみえかもしれませんが、空気中にも水分は存在します。特に梅雨時期の日本のような時期ではかなりの水分は空気中に含まれています。タンスやクローゼットに置いておくだけで空気中の水分を溜めてくれる商品で驚くほど水が溜まった経験があるのではないでしょうか。
水だけではなく、太陽の紫外線も強く影響します。元々が石油という原料で作られているため紫外線や夏の暑さによる熱で合成皮革が溶けて飴状にベタベタんになって石油製品特有の嫌な臭いがすることもあります。
加水分解は合成皮革のようにポリウレタン等の石油製品を使う限り防ぐことはできません。どんな環境でも遅かれ早かれ必ず起きます。また、お手入れや当店のようなレザーリペアで修復できるものでもありません。多くの方はその商品を購入されてからの期間で劣化の時期をみておられますが、よくよく考えてみると実際に商品となった日から劣化は始まっていますので、経年劣化を考えるときには製造から何年という考え方をします。ですので、服などを実際に店舗で買われるときにハンガーで吊るしてある新品の合成皮革を使用している商品でも製造より年数が経過していればすぐに加水分解を起こしてもなんら不思議なことではないのです。実店舗で売られているお店は気を使われているでしょうからそんなに早くはならないかもしれませんが、自宅保管の場合は、環境が悪ければ早くければ購入から三年程度で加水分解することもあります。
ただ、修復できないのであれば捨ててしまおうと考えてはいけません。中身が加水分解の状態でも外側は革であったり綺麗な状態であることがほとんどですので今回のように張り替えてしまえば全く問題なく使い続けることができます。仕様や構造によっては張り替えができないような製品もありますが、まずはお気軽にご相談ください。
当店は実店舗で営業しておりますので直接のご来店も大歓迎ですが、半数以上は全国より宅配便にてお相談、ご依頼をいただいております。事前にホームページ トップページにありますライン公式アカウント(ID @ydo5160c)よりご相談内容、修理ご希望の対象品の全体と希望箇所がわかる写真を数点お送りいただくことで概算見積もりをさせていただきます。修理の一連の流れにつきましては、ホームページの「革修理の流れ」をご覧ください。対象品を送られる際には、必ず当店ホームページのどのページにもあります「お申込み書ダウンロード」のバナーからプリントアウトしていただき、注意事項を一読レ点と必要事項をご記入の上、対象品と同封してお送りください。
最終的には商品到着後の現物確認は必要ですが、事前にお見積りさせていただくことで、おおよそのご予算が分かり安心です。到着後に正式に見積もり金額をお伝えしますが、大きな差異がなければ事前見積もりの金額が変わることはありませんのでご安心ください。到着時に現物でしか分からない細かなことに気付くこともありますので、新たなご提案やご予算のご相談も可能ですのでご理解ください。決してご依頼主様の許可なく施工して代金を過剰に請求をするようなことはございませんので、そちらもご安心ください。
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