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2022/05/07

革製品のメンテナンスについて

いつも当店の革修理ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

 

さて、今回は通常の革修理の事例のご紹介ではなく少し趣向を変えて革製品の普段のメンテナンスや、トラブルが起きた時にやってはいけないこと等について触れていきたいとおもいます。当店でも様々な事情やトラブルでご相談いただくことが多いため、今回少しだけではありますが皆様のお役に立てることがあればとの思いで書かせていただきます。

 

①革に絶対にしてはいけないこと

②革メンテナンスで誤解されている噂

③定期メンテナンスについて

④全国より宅配便にてご依頼可能です

 

 

①革に絶対にしてはいけないこと

まず、革製品が汚れた時にとっさにやってしまいがちな「濡れたタオルで拭く」「水をかける」です。基本的にどんな場合でも革に水は厳禁です!使われている顔料や染料にもよりますが、革内部の油分等が抜けてしまい革自体が硬く硬化してしまったり、濡れることで色落ちしたり点々にまだら模様にシミになったりと全くいいことが一つもありません。例外として濡れた直後(雨に濡れてしまったとか)に革専用の保湿クリームを塗る等すれば大丈夫なこともあります。

 

雨の話といえば、濡らすつもりはなかったけれど天候の急変で思わぬ大雨にバッグや革ジャン等が濡れてしまった場合等も注意が必要です。過去に一度ご相談を受けたお客様に「革のロングブーツが雨でずぶ濡れになってしまったので、次の日に晴れたので太陽に当てて乾かしたら波打つようにシワシワに縮んでしまった」という方がおられました。現物を持ってこられましたが硬く硬化して、まるでプラスチックのように硬く縮んでしまっていて大変不本意で残念ではありますがお断りさせていただきました。

ここで大切なのは「革は縮んでしまったら元には戻らない」ということです。むしろ革は曲がった状態が自然な状態と言えます。というのも「革」は元々は生きている動物の「皮」です。「皮」は文字通り「皮膚」です。人間の皮膚で考えてみていただきますと分かりやすいかとおもいますが、私たちの身体を覆っている皮膚で真っ直ぐなところはありませんよね。このことからも分かるように、「皮」は人間の手によって「鞣し」という加工で無理矢理真っ直ぐな「革」というものに形を変えて製品化されます。ですので革製品になった革は革にとって真っ直ぐな状態はとても不自然な状態なのです。

 

雨で濡れてしまった場合は、

1.まずタオル等の柔らかい布で強く擦らないようにして軽く叩くように水分を拭きとる

2.直射日光を避けて自然乾燥をする(決してドライヤー等で無理矢理乾かすようなことはしてはいけません)

3.完全に乾ききる前に革専用クリーム等保湿クリームを塗る

 

ここでキーとなるのは赤字にもしましたが「完全に乾ききる前」というところ。乾ききる前に塗ることで自然に革に油分が浸透して硬化する、皮が縮むのを防いでくれます。

 

②革メンテナンスで誤解されている噂

革のメンテナンスでよく巷で噂になっているもののなかに、「牛乳を塗ると革にいい」という間違ったものがあります。牛乳には革を硬くパリパリにしてしまう成分が含まれていて、塗ったあとは一時テカリがでて綺麗になったように見えますが、牛乳に含まれるカゼインという成分によって硬化してしまうわけです。また、臭いやカビの原因にもなりかねないので絶対に牛乳を塗るようなことはしてはいけません。

牛乳の水も同じく水分というものは革にはよくないということを覚えておいてください。

その他、ひび割れ等してもいない状態の革に「ミンクオイルを塗る」こともできれば避けていただきたいことになります。オイルといいつつも「ロウ」であることもあり、ひび割れしている革には有効でも新しい若しくは傷んでいない革には塗る意味がありません。それに加えてミンクオイルを塗った後にクローゼット等にしまいこんで、いざ着よう(使おう)として取り出したら白カビが・・・ということにもなりかねません。綺麗な革には保湿クリームを定期的に塗るのがいいでしょう。

 

③定期的なメンテナンスについて

革は上記でも触れましたが、元々は皮膚ですので人間の皮膚と同じように何もメンテナンスをしなければ乾燥してひび割れを起こします。革の表面にひび割れが起きてしまった場合、当店のようなレザーリペアを行う修理店である程度修復することもできますが、全く何もなかったかのような新品の革に戻るわけではありません。ですので、できる限りひび割れをひき起こす前にそうならないための定期的なメンテナンスを行うことが大切になります。

手順としては

1.革用ブラシ(主に馬毛)で軽くブラッシングして表面のほこりを落とす

革の表面を慣らす意味もありますがほこりや汚れを落として保湿クリームを浸透しやすくする準備をする意味があります

 

2.天然保湿クリームを塗布

柔らかい布や綺麗なスポンジに少量のクリームをつけて、いつも同じクリームを使っている方はいいですが、初めて使う場合はまず目立たない箇所で塗ってみて変色等がおきないか確かめてから全体に塗布するようにしてください。

塗った時にべたつきや強いテカリがある場合はクリームの付けすぎの可能性もありますので少しづつつけるようにしてください。

塗布する際にはファスナーや金具にも塗布しておくと錆び防止やファスナーの動きをスムーズにする効果もあります。

 

3.布で乾拭きする

クリームを塗布したあと、少し時間をおいてから乾いた柔らかい布で軽く拭き取ります。拭き取るというよりは、全体に浸透をさせるようなイメージで拭き上げてください。

 

4.風通しのよい場所で保管する

メンテナンスをしたあとにすぐに使わない場合は、湿度の高い場所を避けて風通しのいい場所で不織布の袋等に入れて保管するのがいいでしょう。できればエアコンで温湿度を管理できるような部屋であれば一番いいです。

 

今回は簡単ではありますが、革のメンテナンスについて書かせていただきました。少しでも皆様のお役に立てたなら幸いです。これからも、少しづつではありますが情報として発信していけたらとおもっていますのでよろしくお願い致します。

 

 

④全国より宅配便にてご依頼可能です

当店は実店舗で営業しておりますので直接のご来店も大歓迎ですが、半数以上は全国より宅配便にてお相談、ご依頼をいただいております。事前にホームページ トップページにありますライン公式アカウント(ID @ydo5160c)よりご相談内容、修理ご希望の対象品の全体と希望箇所がわかる写真を数点お送りいただくことで概算見積もりをさせていただきます。修理の一連の流れにつきましては、ホームページの「革修理の流れ」をご覧ください。最終的には商品到着後の現物確認は必要ですが、事前にお見積りさせていただくことで、おおよそのご予算が分かり安心です。到着後に正式に見積もり金額をお伝えしますが、大きな差異がなければ事前見積もりが変わることはありませんのでご安心ください。到着時に現物でしか分からない細かなことに気付くこともありますので、新たなご提案やご予算のご相談も可能ですのでご理解ください。決してご依頼主様の許可なく施工して代金の請求をするようなことはございませんので、そちらもご安心ください。

 

 

 

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当店は岐阜県にて実店舗営業しておりますが、全国より宅配便にてご依頼実績多数あります!特に猫爪ひっかき傷補修件数は北から南まで全国よりご依頼いただき群を抜いています!

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